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梨園染とは

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歳月が磨いた美意識が、梨園染に生きています。

美しく、ときにユーモアや時代の世相を反映する手ぬぐいと、夏の華であるゆかた。日本の文化に光る庶民の粋と伝統を守り育ててきたのが創業140余年、東京日本橋・戸田屋商店の梨園染です。ゆかたは平安時代の貴族が入浴に際し着用した「由加太比良(ゆかたびら)」が起源ですし、手ぬぐいは鎌倉時代に誕生し、江戸時代に広く普及したといわれています。現在では歌舞伎や舞踊の世界を初めとして皆様に愛用されているところから「梨園染」の名称で江戸の粋をお届けしています。梨園染製品はゆかた、手ぬぐいをはじめ、扇子、うちわ、のれん等に形を変え、数百の柄、バリエーションで皆様に江戸の粋をお届けしています。

梨園染の特長

梨園染の特色といえる「注染」。この伝統工芸に指定された染色方法で染め上げた色合いの美しさ、風合いのよさは熟練の職人達による手染めだからこそです。
また、梨園染では独自にその生地を織らせており、手ぬぐいやゆかたの晒木綿の上質さも自慢です。

梨園染のデザイン

梨園染のデザインは、生活や自然、文化に起因しています。その構図はおおらかで大胆、繊細で緻密という相反する性格を持っています。
さまざまな視点で日常を切り取り、それをデザインに生かす感性は、新しい生活様式や文化に呼応し、今後も皆様に新鮮な驚きをご提供し続けます。

■四季

豊かな色彩と巧みな技術を駆使し、1枚の手ぬぐいをひとつの絵画のように扱った、大胆なデザイン構成をしています。 1枚の布に広がる余韻や遠近感を感じてください。

四季

■歌舞伎柄

舞台の一場面を表現したり、役の衣装で用いられる意匠や紋を現代風にアレンジしています。モチーフをパターン化して幾何学柄にしたものも多く、力強く、明快な印象を備えています

歌舞伎柄

■小紋柄

四季の植物から動物、道具など、身の周りにあるものを小さな柄にして、繰り返したり散らしたり、一定のリズムを作ります。

小紋柄

熟練技が光る梨園染

梨園染のゆかた、手ぬぐいは東京の下町の染色工場で染め上げられます。製造工程のほとんどは、熟練の職人による手作業です。
たとえば「形置」では、白生地に形紙を載せ、防染糊を付けては形紙を外し、生地を折り返してまた糊を付ける。この作業を繰り返すこと20数回。

また「染色」では、折り重なるように糊付けされた生地の上から、やかんと呼ばれる口の細長いじょうろで染料を注ぎ、下から真空ポンプで吸引して生地に染料を浸透させます。特に多色染めの場合は、柄の境界に指定外の染料がにじまないよう配慮が必要で、職人の経験と技だけが頼りになります。染め上がった生地は表も裏もなく、くっきりと染まり、柄が生き生きと浮き出します。

伝統工芸「注染」の製造工程

■差し分け染・ぼかし染
染色の多くは1型で1色を染めますが、注染の場合は複数の色を染めることが可能です。この作業をおこなうため、柄や色の境目に糊を置いて堤防を作ります。これを「差し分け染」といいます。
一方、糊で堤防を作らず、色の濃淡や色ぼかしを演出する技法もあります。これを「ぼかし染」といいます。

■手ぬぐいに裏表がない
梨園染の手ぬぐいは、両面が表です。
見えないところや裏側に凝る日本人の美意識では、使う側が常に表であることが望まれています。 そのため、梨園染では、染色の段階で染料を布の上から下まで、繊維の芯まで染料を浸透させます。

 

白生地:染下(そめした)生地:小巾(約37p)に織った生地を晒して晒木綿に仕上げます

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練地:白生地に染料の浸透をよくするため、浸透剤を入れた水槽に漬けます

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乾燥:生地を乾かします

 
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地巻

:生地を巻取機で丸巻にします

形紙

:手すき和紙に柿渋を塗った渋紙を使います。最近ではビニール系の合成紙も使われています

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糊調合

:生地、染料、模様などに合わせ、防染糊を調合します

図案

:形紙専門の絵師がデザインを描き、彫師が渋紙を彫り、さらに紗張師が形紙に紗を張って仕上げます

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形置:板場(いたば)ともいい、型紙を枠に張り、生地の上に載せヘラで防染糊を付けます

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色合わせ:染色用染料の調合をします

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染色:紺屋(こうや)ともいい、糊付けされた生地に染料を注ぎ入れ、下から吸い取ります

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水洗い:水元(みずもと)とも呼び、糊や余分な染料を洗い流します

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乾燥:生地を乾かします

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仕上げ:生地をキレイに整理します(手ぬぐいは鋏を入れて仕上げます)

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